今日は日中は蒸し暑かったのに帰りは雨上がりだからか、寒かった。

 

 

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

 

 

 森絵都さんの作品はYA小説「カラフル」しか読んだことなかったけど、最新刊がおもしろいって書評を読んで図書館で借りようと思ってたけど貸出中。予約が何人かついててまだ順番が回ってこなさそうなので、上の短編集を借りた。YA小説「カラフル」とは違う渋い大人の文体。すごく描写が細かい。千原ジュニアとかケンドーコバヤシのすべらない話のような、細かさがずっと続く。読む側も神経が細かくなるので、登場人物の繊細さや揺れについて行くことができる。ただ、ちょっと疲れたな。

 この中で好きな作品は「鐘の音」。仏像の修復師の話。プライドの高い修復師と同僚が久しぶりに出会って25年前のできごとを話すという内容。実はその時にあったできごとが真実と違っていたことがこの時、判明する。

 「自分の過去を解体し、誤った情報を除去して、正しい新補を埋めこんでいく。ようやくそれを全身で受けいれたその刹那、潔(プライドの高い修復師の名前)は思わず煙草を地に落とし、空いた右の手で自分の左腕を、左の手で右腕を、軋むほどに強く抱きしめていた。」

 何年後、何十年後かにほんとのことがわかるってなかなかないだろうけど、想像しただけでゾクゾクする。頭で塗り替えようとしても真実が理解できなかったり、逆に感覚でまるごと附に落ちたり。