くまちゃん (新潮文庫)

くまちゃん (新潮文庫)

 

  角田さんの作品を昔読んだことがあったのですが、なんでかピンときませんでした。以前から角田さんのいろんなルールとか大好きなのですが(事務所を会社にしたてて毎日9時から17時出勤。やったっけな。自宅から地下鉄乗って事務所まで通ってた)。私のセンスがいけてなかっただけですね。

 

 ネットなどで検索して「失恋して読みたい本!」のナンバー3位内に入っているこの作品。めっちゃよかった。恋愛でフッた登場人物が次の作品でふられて。で、次の作品でフッた登場人物がまたふられて。ってのを繰り返す、というのをあらすじで読んで、なんて胸がすく作品なんや、みんなふられてしまえ!で図書館で借りました。

 

 単純に好き同志のカップルがああだこうだ、したあげくに見えない血流がドロドロ。ってわけではなくて。

 こういう仕事したいんだぁ、アーティストになりたいんだぁ俺、に惚れた彼女とか。自分キママにフラフラしてた俺だけど、彼女見てるとしっかり生活できるようにしないとなーって就職活動はじめたんだけどなかなか採用されなくて、って男にウンザリとか。人気商売してた男性が落ち目になって足についた仕事に転職したけど、そんな時に出会った女性ってのが、女優として売れたいんだ―っていう30過ぎの劇団員で、その天真爛漫な女性ぷりに惹かれたり、とか。恋愛だけじゃなくて仕事が絡んでるのがとてもよいです。あとがきで角田さん自身もそのことを書いてる。ある年齢(20代から30代後半くらいまで)は全員がそうじゃないけど、恋愛と仕事って連携してるよねって。私はこれにプラス家庭を作るってことを考える。女性がどうしても家庭を円滑に回すために家事をすることを考えて。仕事のやりがいよりうんぬんうんぬん・・。って仕事を変えたりね。でも仕事がイコール人生ってのは100%はおかしいような気がするよ。

 

 そういう自分体験が頭に浮かんでもやもやしつつ読んでたのですが、「こいつ、どう考えてもあかんやろ!」って登場人物も出てきます。彼女のことほんまに好きなんか?彼が好きじゃなくて自分のことばっかりやな、この女!とかね(←私のことやねん)。

 

 こんなやつはふられて当然!でいるのですが。でも読み進めるととても辛くなるのです。リアルで知ったら「はぁ~ん!?」ってなりそうなふわふわした登場人物でも、角田さんの文章を読むと傷ついてるんだなぁって胸が詰まります。

 

 ま、ある年齢にとっては恋愛と仕事はリンクするってことを角田さんはあとがきで書いてるんだけど、私はその時の状況によると思う。結婚してたなら、彼氏がいるんだったら。仕事と恋愛をつなげることはないってことなのか。で、私がこの仕事を選択したのは恋愛は関係ない。ただ好きな人と一緒にいたいから社員からアルバイトに変えて、家事ができるようにしたことはある。あと今でもあるのが、好きな人がこの本おススメしてたなーって仕事で発注したりとか。